ごあいさつ
メディア論という学問領域は、われわれが普段メディアを通じて「あたりまえ」に受け入れているものごとの不自然さや恣意性を暴き出し、言語化し、克服するための思想と方法の集積です。そしてここでいう「メディア」には、マスメディアやインターネットのみならず、われわれのコミュニケーションを媒介し、社会生活を形成しうるすべてのものごとが含まれます。とはいえ、複雑化したメディア環境においては、特定のメディアやメディアコンテンツに着目するだけでは現実に起きていることを説明することはできません。大切なのは、人びとが日常生活のなかでメディアをどのように/なぜ位置づけているか(位置づけさせられているか)実直に観察することです。
応用メディア論は、メディア論のアプローチを基礎として分野横断的・共創的な視点から社会・法制度・組織・ときには個人が抱える課題を捉えなおし、具体的かつ実現可能な解決策を提言することで、よりよいコミュニケーションの社会実装をめざす取り組みです※。世界とメディアが分かちがたく結びついている現代社会において、メディア論の考え方はすべての人々にとって役立つ「ポータブルスキル」とも考えられます。橋本研究室では、社会人学生が自らの実務経験に即した「メディア論 × 〇〇」を探究し、研究・教育・社会貢献活動に取り組んでいます。
准教授 橋本 純次
【助成期間中の研究課題】
- テレビ局による災害リスク・コミュニケーションのあり方:ポリメディアの視点から(科研費/研究代表者)
- リスク・コミュニケーションにおけるメディアの役割に関する実践的研究(2023年度 放送文化基金/研究分担者)
- 「放送の地域性」研究の展望:事業者や地域の実情を踏まえた放送制度の実装に向けて
- メディアは災害報道の「メタ知識」を提供できていたか:COVID-19関連報道の総括に向けて
- コロナ禍をめぐるテレビ報道 非常時のメディアをあり方を考える
【主な講演】
- マスコミ倫理懇談会 第64回全国大会 広告分科会(2022年9月29日)
- 新聞週間特別シンポジウム「パンデミックが変える社会と報道」(2021年10月16日)ほか
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研究内容
※ 本HPは、社会構想大学院大学がその内容を保証するものではありません。